悲しみ(時計と記憶)

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暗く悲しみの渦に、男は囚われていた。 いっそ、このまま、
気を失いたいと、思う。
だが、楽になろうとする刹那、
呪いの言葉は、容赦なく男を、掴み上げ、引き摺り戻す。
そこも、また、時の進まない、
うつし世。
壊れた時計を未練がましく、握りしめても、進めることも、戻すことも、修理すことも叶わない。

男は闇夜に無い筈の月を、虚ろに見上げていた。
その他
公開:21/12/17 17:00

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