宇宙人定食

「美食家の皆様に食べて頂きたい品がございます。本日は捕まえたばかりの宇宙人の肉をお出ししたいと思います」
客人達は目を丸くした。
大いに興奮している様子である。
「成分的に有害な物質は含まれておりませんので、どうぞ安心してご賞味下さい」
客人達は主人を信用しているのか大きく頷いた。
出てきたのは半透明の切り身であった。鮮度がいい。
少しコリッとした歯ごたえで弾力に富み、最後まで噛み潰すと微かに脆くなった肉がペースト状に歯の隙間を埋めるように広がる。独特の風味が匂うが、クセは強くなく、どちらかと言えば味がしない。だが何度も噛んでいると次第に淡い甘さが口中になじんでくる。試しに醤油をつけてみると、これが実によく合う。
大盛況であった。
客人達から調理前の宇宙人も是非見せて欲しいと要望が出た。
そこで主人はイカを見せた。
「ワオ！エイリアン！」
外国から来た客人達は大いに満足して帰ったという。