闇高校生

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6月。窺うような雰囲気の4月から2ヵ月経ち、誰に従いどこに属するかという流れを理解し始めてきた頃、私は孤立していた。孤独ではない、孤立である。
昼休みも残すところ20分、諜報活動を終えた私は、席には戻らず教壇へと上る。
そして「我、消息をもてり。興のあるものは百円を持ちて、教壇に来」と黒板に書き、手を叩いた。

視線が痛い。針の筵とはこの事である。しかし、その視線以外に反応はない。私は焦った。これではこの2か月の孤独と諜報活動が無駄になってしまう。やむを得ない、出血大サービスだ。
再び手を叩く。「わかった。タダでいい。これでどうだ」
沈黙、再来。
これは駄目かと諦めたその時、髪を逆立てた不良が言った。「で?情報ってなんだ?」
私は丸まり始めた背筋を伸ばして答えた。
「これから極秘の頭髪検査がある」
しばらくの沈黙の末、不良は肩を竦めた。
「今更どうしろと」
同じくして、チャイムが鳴った。
青春
公開:21/12/12 20:35
更新:21/12/12 21:49

太郎犬( 日本 )

読書量も文章力も想像力もまだまだですが、ちょっとずつ投稿していきます。
コメントいただけると嬉しいです。
 

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