赤ら顔グッジョブ

6
3

冬の寒い日、赤ら顔をさらに赤くしていると、ナンパされた。
「おおー、見つけた、私の相棒」
髭の生やした初老のおじさん。
いくらお金持ちそうでも……。
「決めた、君しかいない!」
「バイト料も出すよ」
私は、逃げようとした。
が、強引に重いリュックを背負わされ、住所録のような紙を渡し、車に乗せる。
「それを、ナビに入力して、案内してくれ」
悪い人じゃなさそうだけど。
着いた所は、古いアパート。
お母さんと、小さな女の子が出て来た。
「本当に、ありがとうございます……」
お母さんは、深々と頭を下げた。
そして、私の重いリュックに手を突っ込んで、綺麗な袋を一つ取り出した。
「メリー、クリスマス!」
女の子は喜んだ。
「この名簿って……」
「ああ、母子家庭の貧しいところだよ」
「さあ、次だ、トナカイ君!」
「はいっ!」
私の鼻が、ピカピカと光り始めたような気がした。
ファンタジー
公開:21/12/12 12:02
更新:21/12/12 17:34
赤ら顔 グッジョブ クリスマス

ちさとりゅうじ( 神奈川 東京 )

YouTube「ちさとりゅうじチャンネル」
始めました。
少し長めのショートショート置いてあります。 現在、お休み中です。
書き散らかしています。 研究研鑽中につき、ご勘弁下さい。 コメントには必ず返信するつもりでいます。 私のは気にしないでください^_^

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容