負け組ウーパールーパー

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九十年代、憎き人間により我々メキシコサンショウウオは流行らされてしまった。それもウーパールーパーという蔑称まで付けられ、まるで地球外生命体のような扱い。
流行りが去ったと思えば、今度は食用。人間はなんと勝手な生物なのだ。

我等は現在、飯屋の水槽で飼われている。次、捕食されるのがいつかも分からぬ日々に怯えるばかりだ。
そこで、この水槽にいる同志と脱出を試みることにした。群れて行動することをしないが、こんな不自由には耐えきれなかったのだ。
数多いるのだ、脱出は簡単にできた。我々はガンダーラを目指して、外を彷徨う。もちろん、力尽きる者もいたが、途方もなく前進するしか道はなく。

そして理想郷は眼前まできた。
ここを通じれば自由だ。
一歩、また一歩。水に浸かることに喜びを感じたが、腐蝕していることにも気付いた。
あぁ、ここも人間に汚染されているのか。
途絶える意識の先には、故郷の蜃気楼が見えた。
SF
公開:21/12/14 10:02
ウーパールーパー 食用 生物

雪場知花

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