頼りがいのある上司

0
3

私の上司は厚かましい。
遠慮というものをまるで知らず、ぐいぐいと相手に迫る。
殆どの人がその押しに負け、上司と契約を結んでしまう。横取りなんて当たり前の人だった。
だから当然、敵も多い。
しかし上司はそれもどこ吹く風。どんなに嫌味を言われても通じない。バカにされても気にしない。
それが少し、羨ましかった。
そんな上司がある日、ライバル会社の者に襲われた。顔を鈍器のようなもので何度も殴られる。
しかし上司はどこ吹く風。全く効いていない。
「俺の面の皮はな、鉄でできているんだ。だからほら、鉄面皮ってよく言われるだろ!」
笑って答える上司。厚顔無恥とはまさにこの事か…
とはいえ、我が社に向けられる恨み言の一切を受け止めてくれるこの人は実に頼りがいがある。
公開:21/12/09 20:47
12月8日投稿予定作品

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容