のびしろ時間

人は成長する。
特に大きな物事を目の当たりにした時、人間的または能力的に向上する余地があるのだ。
例えば人の死に際に立ち寄った、事件に巻き込まれた、危機的状況になった場合など。
そのことを「のびしろ時間」という。
これは年齢問わずに起きるもので、のびしろ時間を経験した人間は何をやっても通常の二倍以上の経験が蓄積されていく。
そのためか、これを経た人間は次々と名を轟かせるほどの実績をあげて成功を収めている。

しかし、良いことばかりではない。
成長した場合に、その能力を違う道に使うものもいる。
これは十七歳の少年の話である。
彼は高校に入学してからずっといじめを受けてきた。何度も暴行を加えられるうちに、生命危機を感じてのびしろ時間を経験。
彼は復讐のために、数々の痛めつける方法を学び実行し、いじめた側を殺害。
自己防衛のために、人を殺めたのだ。

のびしろをどう伸ばすか、問題視されている。