出口
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彼は気が付くと、小さな部屋の中にいた。真っ暗で、狭くて、静かで、暖かくて、大変心地の良い場所だった。
彼はその部屋が大のお気に入りだった。
ある日、元々狭かった部屋が更に狭くなった。いや、彼が大きくなったのだ。
これ以上ここにいるのは厳しいなぁ。
そう思った彼は、部屋の奥に小さな出口を見つけた。
この先に、もっと広い部屋があるかもしれない。
そして彼は、出口を目指した。小さな出口のその先は長い通路になっていた。先の見えない道だけど、引き返すことなんてもう出来ないと彼は知っていた。
だから、彼は前へと進んだ。
彼が進む度、通路はどんどん細くなる。進むのがどんどん苦しくなる。
でも、行かないと。
だって、誰かが彼を待っているような、そんな気がするから。
そしてようやく、彼は小さな出口からその頭を覗かせたのだ。
「おぎゃあ!おぎゃあ!」
「おめでとうございます、元気な男の子ですよ!」
彼はその部屋が大のお気に入りだった。
ある日、元々狭かった部屋が更に狭くなった。いや、彼が大きくなったのだ。
これ以上ここにいるのは厳しいなぁ。
そう思った彼は、部屋の奥に小さな出口を見つけた。
この先に、もっと広い部屋があるかもしれない。
そして彼は、出口を目指した。小さな出口のその先は長い通路になっていた。先の見えない道だけど、引き返すことなんてもう出来ないと彼は知っていた。
だから、彼は前へと進んだ。
彼が進む度、通路はどんどん細くなる。進むのがどんどん苦しくなる。
でも、行かないと。
だって、誰かが彼を待っているような、そんな気がするから。
そしてようやく、彼は小さな出口からその頭を覗かせたのだ。
「おぎゃあ!おぎゃあ!」
「おめでとうございます、元気な男の子ですよ!」
その他
公開:21/12/11 09:29
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