西日と共に

日が暮れる前にウォーキングに出掛けよう。
と、空を見上げると西日が眩しい。
歩くペースを徐々に上げていく。呼吸も鼻から吸い、口から吐く。
息もいい感じであがってくる。
踵、つま先が大地を踏む感じが心地いい。心臓の鼓動も嬉しそうに騒ぎ始める。
いつもの森林に入ると、葉の色が先週より変化している。
西日で、やや黄色い葉は透き通り、橙色の葉は光に負けないように影を作っていた。
紅色の葉たちは騒ぎ始めた鼓動から流れ出る血液を思わせる色調で、私を見つめている。
動脈の拍動で全身へ向かう赤血球たちが、紅葉を反射して瞳の奥に感じてきた。
少し冷たい微風が私の顔をそっと撫でながら去っていく。
うん、風も心地いい。
360度見渡すと、色彩豊かな葉たちが西日と共に手を振ってくれた。
やっぱり、自然の中のウォーキングはいいな。
明日も、ウォーキングに出掛けよう。