お父さん大嫌い

「ついに出ました！高校生の娘から『お父さんなんか大嫌い』」
その後おはようございますと付け足し池田は席に付いた。
「ほんとに！？いいなぁ。どんな感じ？」
「お父さん不潔、洗濯物分けてと王道パターンで。いやぁホッとしました。鈴木さん所はまだ？確か娘さん高校生だよね」
鈴木は分が悪そうな顔になる。
「さすがにパパと結婚したいとは言わなくなったけどパパみたいな人と結婚したいって」
「パパ愛されてるねぇ。まぁ世間の常識的にソレが誰もが羨む理想なんだけどね」
池田は卓上のまだ幼かった頃の娘の写真を見て一瞬慮る表情になったが直ぐに悪戯にほくそ笑み
「万が一このままパパ大好きが続けばいよいよ疑わないとな」
「こんな事で盛り上がってるって奥さんに知られたら…即離婚だな」
「ここでの常識は『遺伝子配列』の中にしか存在しないのだよ鈴木君」

遺伝子研究所に勤める２人の研究員が下らないことで盛り上がっている。