さあ、火を消して
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「ハッピーバースデートゥーユー♪」
暗い部屋に明るい歌。
ケーキに刺さったロウソクだけが、煌々と燃えている。
今日は、私の誕生日だ。
「ハッピーバースデートゥーユー♪」
1切れのケーキが目の前に差し出される。ケーキとは不釣り合いなほどに大きなロウソクが1本、真ん中に刺さっている。
「さぁ、火を消して」
そう言われて、すぅと息を吸い込んだ。
けれど、その瞬間ガタガタッと地震が起こって。
そして、世界が明るくなる。
「あ、起きた!目ぇ覚めた!母さん、姉ちゃん起きた!!」
今度は明るい部屋に、切羽詰まった弟がいて。次に、慌てた様子の母がやって来た。
「あー良かった!誕生日が命日になるとかほんとシャレにならないんだから…」
思い出した。私、階段で足を滑らせて落ちたんだっけ。
じゃあ、さっきのはきっと夢だったんだ。
背後で「チッ」と舌打ちが聞こえたのも、気のせいだろう。
暗い部屋に明るい歌。
ケーキに刺さったロウソクだけが、煌々と燃えている。
今日は、私の誕生日だ。
「ハッピーバースデートゥーユー♪」
1切れのケーキが目の前に差し出される。ケーキとは不釣り合いなほどに大きなロウソクが1本、真ん中に刺さっている。
「さぁ、火を消して」
そう言われて、すぅと息を吸い込んだ。
けれど、その瞬間ガタガタッと地震が起こって。
そして、世界が明るくなる。
「あ、起きた!目ぇ覚めた!母さん、姉ちゃん起きた!!」
今度は明るい部屋に、切羽詰まった弟がいて。次に、慌てた様子の母がやって来た。
「あー良かった!誕生日が命日になるとかほんとシャレにならないんだから…」
思い出した。私、階段で足を滑らせて落ちたんだっけ。
じゃあ、さっきのはきっと夢だったんだ。
背後で「チッ」と舌打ちが聞こえたのも、気のせいだろう。
ホラー
公開:21/12/04 10:48
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