人生の人質
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サイレンの音が鳴り響く。あっという間にビルの入り口は、警察によって封鎖された。俺は人質を取ってビルに立て籠っている。窓から顔を出す。
「今すぐ人質を解放しろ」
「うるせぇ!!」
「その人にも大事な家族がいるんだ。心配かけるな」
「黙れ!!」
「お前にも家族がいるはずだ。心配かけるな」
「俺に家族はいねぇ」
そして俺は、再びビルの奥へと引っ込んだ。
「あなた家族いないの?」
「そうだ。俺は親に勘当されたんだ」
「ねえ。私がさ、あなたの人生の人質になってあげようか?」
「人生の人質?」
「うん。あなたがここで大人しく警察に捕まってくれたら、私はあなたの人生の人質になってあげる」
「信用できない」
「信用して」
真っ直ぐな目で言われ、なぜか信用できると思った俺は投降した。
5年後。出所した俺を待っていたのは彼女。
「おかえり。もう一人じゃないよ」
そう言われ、俺は涙を流した。
「今すぐ人質を解放しろ」
「うるせぇ!!」
「その人にも大事な家族がいるんだ。心配かけるな」
「黙れ!!」
「お前にも家族がいるはずだ。心配かけるな」
「俺に家族はいねぇ」
そして俺は、再びビルの奥へと引っ込んだ。
「あなた家族いないの?」
「そうだ。俺は親に勘当されたんだ」
「ねえ。私がさ、あなたの人生の人質になってあげようか?」
「人生の人質?」
「うん。あなたがここで大人しく警察に捕まってくれたら、私はあなたの人生の人質になってあげる」
「信用できない」
「信用して」
真っ直ぐな目で言われ、なぜか信用できると思った俺は投降した。
5年後。出所した俺を待っていたのは彼女。
「おかえり。もう一人じゃないよ」
そう言われ、俺は涙を流した。
公開:21/12/04 10:08
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