0
1

「長老、大変です」
「どうした。騒々しい」
「また、お城からお触書が届きました」
「な、なんじゃと。まだ、前回からひと月も経っておらぬではないか。今度のテーマはなんじゃ」
「はい、「聞こえる」だそうです」
「はぁ~、さやか姫には困ったものじゃ。毎月、税金の代わりにアイデアを献上しろと無茶を言う。もう、村の者は毎晩徹夜で考えて疲弊しておる。このままでは皆、干からびてミイラになってしまうわ。こうなっては仕方ない。儂がさやか姫に直訴するべ」

「さやか姫、お願いですだ。アイデアの納期を延長してくんろ。村の者はアイデアを搾り取られて抜け殻状態ですだ。これはつまらないもんだが納めておくんなせい」
「つまらんものならいらんぬわ、それにお前の話もつまらん。私が欲しているのは極上のアイデアのみ。それ以外に興味はない」
「それでは儂のとっておきを、「白い犬は尾も白い。面白い」なんちゃって」
「帰れ!!」
公開:21/12/01 10:12

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容