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とある街に心優しき雪だるまが住んでおりました。
雪だるまは純朴で街の誰からも慕われておりました。
ですが、ある日、外からやってきた女性が街の人とこんな話をしているのを聞いたのです。
「あの雪だるま、絶対に変よ。真夏だと言うのに平気で過ごしているなんて。きっと魔物だわ。私達を油断させて襲うつもりよ」
それを聞いた雪だるまは心が傷付きました。
「えっ、僕って変なの。確かに見た目は違うけど、みんなと共に暮らす住人だよ」
雪だるまがその事を伝えようとすると街の人は「襲われるー」と言って逃げて行きます。
数時間後
雪だるまは警察に逮捕されました。
「街の住民は君に襲われたと言っているのだが間違いないかね」
「僕はやっていません。何かの行き違いです」
雪だるまは主張しました。
「そうだよ。この雪だるまは何もやっていないよ」
そう言ったのは子供達。
雪だるまは嬉しさのあまりその場で溶けてしまいました。
公開:21/12/01 07:43

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