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私がラジオを点けると天気予報が流れて来た。
「今日は風が強く、北陸地方にはハロー注意報がでております。お気を付けください」
ハロー注意報?
私はてっきりニュースキャスターが波浪と間違えているのだろうと思っていた。
だが、それは違っていた。私が学校へ行くとクラス全員が私に向かって開口一番にこう言ったのだ。
「ハロー、英語の宿題やって来た?」
「やって来てないけど」
「ハロー、なんでやって来ないの」
「ハロー、信じられない」
私に対する風当たりが強い。それに何だかクラスの目線が氷のように冷たい。
これはどういうことなの。もしかしてこれが世に云う、ハローワーク。
私が風邪で学校を休んでいる間に職業体験の実習が始まったのね。
それなら私もしなきゃ。
「ハロー、ハロー」
「あなた、さっきから何をやっているの、馬鹿じゃないの」
「えっ、どう言う事?」

ラジオ「速報です、ハロー注意報は解除されました」
公開:21/11/28 14:06
更新:21/11/28 14:08

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