そこのバイク、止まりなさい

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バイクを走らせていると、後ろからサイレンの音が聞こえた。

「そこのバイク、止まりなさい」

僕はバイクを道の横に停止させた。白バイだ。

「あの……僕、何も悪い事してないですけど」
「良いバイクだね。昔、盗んだバイクで走り出すっていう歌があってね。果たしてそのバイク、本当に君の物かな?」
「いや、僕のですよ」
「そう。ならいいんだ」

そう言うと白バイは行ってしまった。
何だったんだ……。僕は再びバイクを走らせた。

「そこのバイク、止まりなさい」

今度は別の白バイに止められた。

「な、なんですか?」
「すみません。実はですね。白バイが盗難に遭って今、追いかけている最中なんですよ。この辺で不審な白バイを見かけませんでしたか?」
「見ました」
「そいつ何を言ってましたか?」
「盗んだバイクで走り出すっていう歌があってって言ってました」
「あの野郎。絶対許さない」

そして走っていった。
公開:21/11/28 10:52

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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