聞こえる

今回、募集するラジオ小説のテーマは「聞こえる」です。

なるほど、聞こえるか。実に簡単なお題だ。
だが、難しいお題とも言える。
作るのが簡単であると言う事は逆に他のリスナーと話が被る可能性が高いと言う事だ。
おそらく一番多いのは素直に「聞こえる」を活かしたもの。
寿司屋のネタで例えるなら、かっぱ巻き。青臭さが残るものの胡瓜の瑞々しさ、噛んだ時のコリコリ感がたまらず、病みつきになる一品。云わば、万人受けするネタだ。
次に多いのは「聞こえる」に包丁を入れたもの。
寿司屋のネタで例えるなら、魚介類全般。ここからが職人の腕の見せ所だ。
ネタの選別、新鮮さ、毒の有無、調理技術を駆使してお客様に上手いと言わせられるかが問われる。
まあ、私の場合、そんな資格ないんで。笑い茸の粉末をネタに混ぜる事にしている。食べた人は私の中毒に。

「また救急車の音が聞こえて来た。きっと私が作ったネタを食べたんだろうな」