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私は彼に恋文を渡す事にした。
私が言いたくても言えない彼への気持ちを言葉にして伝えたい、そう思ったから。
「好きです。放課後、校舎裏で待ってます」
私は誰もいない事を確認した後、彼の靴箱に恋文をそっと置いた。
本当はもっと伝えたい事があった。
でも、何度も書いては消してを繰り返しているうちにこの文章に落ち着いた。

ドキドキ
授業中、私の心臓は破裂しそうだった。
もし、このまま心臓が止まって救急車で搬送されたら待ち合わせ場所に行けなくなっちゃうわ。落ち着いて、心臓。そんな事を真剣に考えていた。

放課後
彼は私よりも先に校舎裏に来て待っていた。
私は彼の前に立ち、持ってきたノートのページを開いた。
「私は生まれつき喋れません。だから、筆談で話をさせて下さい」
「ああ、いいぜ。って言うか。そんな事、知ってるし。お前の事、ずっと見守っていたんだから」
「えっ、なんで?」
「なんでだと思う?」
公開:21/11/30 10:02
更新:21/11/30 10:06

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