恋するラテアート

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またあの子が来ている。僕がアルバイトとして働くカフェに、とても可愛いあの子が来ている。

彼女はいつも一人だ。一人で来てケーキと珈琲を飲んで読書をして過ごしている。どうにかして彼女と仲良くなりたい僕は、僕なりのアプローチをするのだった。

「どうぞ」
「えっ?頼んでませんけど」
「いえ。僕からです。カップチーノです。僕のオススメです」

僕は彼女にカップチーノを奢った。ラテアートでハートを描いて。

「ありがとうございます」

彼女が店に来る度に僕は、カップチーノにラテアートでハートを描いて遠まわしに彼女に愛を伝え続けた。

そしてそれもお馴染みになってきた時の事だった。

「カップチーノです」
「ふふっ……。また奢ってくれるんですか?」
「はい」
「今読んでる本がね。恋するラテアートって小説なの。それに出てくる主人公があなたにそっくりで面白くて」

少しだけど彼女との距離が縮まった。
公開:21/11/26 10:45

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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