男気ペースメーカー

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なんだかアイツ、最近恰好良くなった気がする。

「お前、最近変わったよな。なんていうか恰好良くなったっていうか。どうしたんだよ。好きな女でもできたか?」
「おっ?分かるか?実はな、俺、男気ペースメーカーを体に入れたんだ」
「男気ペースメーカー?」
「俺の立ち振る舞いでいかに男気があったかを数値化してくれるんだ。男気の数値を気にしながら生きる事で、良い男になれるんだ」
「なんだそりゃ……」
「お前もつけてみろよ。俺みたいに恰好良い男になるぜ」

俺は勧められて半信半疑で、男気ペースメーカーをつけた。手術は、わずか10分で終わる。指にマイクロチップを埋め込むだけの簡単な手術だ。
それから俺は、男気の数値を気にするようになった。どうやら男気は、人に飯を豪快に奢ったり、老人を助けたりすると上がるようだ。俺は男気ポイントを上げ過ぎて男気ペースメーカーが壊れた。俺は真の男になったと自信がついた。
公開:21/11/27 11:15

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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