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最近近所の空き家に怪しい男が出入りしている。
こいつはきっと悪者だ!退治してやる!と、息巻いて僕も空き家へと足を踏み入れた。
『助けて…』
台所から声が聞こえる。
『ここだよ…』
大鍋からかすかな声。
そっと蓋を開けると僕は中で蟠っていた闇に捕まり、引きずり込まれた。
『静かにして…大人しくして…』
耳元で囁かれる子供の声。恐怖のあまり叫び出しそうになる僕は動きを止めた。
怪しい男が台所にやってきた。その手には血の着いた包丁。
「さて…次はどのガキを始末するか…」
男がどさりと投げ捨てたそれは僕と同い年くらいの血に塗れた男の子。
『もうすぐ警察が来るから…君だけは助けるから…』
声に従い、僕はじっと息を潜めていた。
やがてやってきた警察に男は逮捕された。
警察に保護された僕は見たもの聞いた事を全部伝える。
空き家を出る前、もう一度大鍋に振り返る。
『今度は助けられて良かった…』と声がした。
ホラー
公開:21/11/26 20:30

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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