聞こえる

「よ～く聞くんだ、俺の体。今、お前の体には爆弾が設置されている。ちょっとした衝撃でも爆発する。だから軽はずみな行動は避けるように。もし、爆弾が爆発した場合、周囲は阿鼻叫喚、お前自身も世間に顔向け出来なくなるだろう。すべてはお前に掛かっている。では、ミッションを伝える。実に簡単な事だ。トイレに行き、その爆弾を解除しろ。以上だ」

「すみません。トイレはどこにありますか？」
「奥の扉を開けた先にあります」
「ありがとうございます」

「ゆっくりだ。落ち着け。慌てる必要はない。でも、急いでくれ。この爆弾は時限式だ。絶対に気を緩めるなよ。緩めた瞬間に爆発する可能性もある。尻の穴を引き締めて耐えてくれ」

「やばい、敵が第二波を撃って来た。だが安心しろ。目的地は目の前だ」

コンコン
「入ってま～す」
「耐えるんだ。耐えてくれ。俺の体よ。人生は忍耐。辛い事の連続だ。だが、その先に幸せが待っている」