ムードメーカー

僕達、野球部にはムードメーカーがいる。それが彼だ。彼ほどチームのムードを盛り上げてくれる人は、他にはいない。

ピッ！！
笛の音が鳴って試合が始まった。

６回が終わり、０－０。
お互い硬い守備で相手に点を許さない。
試合が動いたのは、６回裏。
相手の四番がホームランを打ち、１点を取られてしまう。
正直、雰囲気が良くない。

「ドンマイドンマイ！！まずは１点確実に取っていこう！！」

彼が声をあげる。そして皆、気合が入る。次の７回表の僕達の攻撃。初球を流し打ちして一塁に出る。

「ランナー出たよ！！続け！！」

そして次のバッターは四番。ここでホームランを打った。一気に２点取り、逆転する。

「よーし、皆。景気よく行くぜ！！」

ドーンッ！！
彼が花火を打ち上げた。

「俺達の気合に相手びびってるよー。次から１点取る毎に花火打ち上げるぜ！！」

彼ほど場を盛り上げる男は、他にはいない。