沼に落ちる

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「待て、やめろ…!」

じり、じりと後ずさる自分。
そんな自分をじり、じりと追い詰める影。

「もう逃がさないからな…!」
「ぐっ…」

後ろをちらりと見る。すぐ背後には、そこの見えない沼が広がっていた。

「た、頼むやめてくれ…!」
「いいや、もう待たない。もう逃がさない!食らえ!!!」

そう言って、目の前に突きつけられる。

「ほら!現在週刊誌で連載中の漫画!!このキャラクター姉ちゃん好きそうじゃない!!?」
「やめろ!!好みっぽいから敢えて避けてたんだよ!!これ以上推しを増やすのやめろ!!」
「良いから沼に落ちろ!そして語ろうぜ!!!」

そして、見てしまった。
妹が布教してくるキャラクターを。
布教してくる新ジャンルを。

「ありがとうございまぁぁぁぁぁす!!!」

頭から勢い良く、沼に飛び込んだ瞬間である。
その他
公開:21/11/24 09:38

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