盾社会

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この世の中は、所詮縦社会だ。地位を持つ者が力を持ち、下の者はそれに従う事しかできないのだ。我々下の者の意見など取り入れてもらう事ができないのだ。

「だったら俺は、盾社会の精神で生きるね」
「盾社会?なんだそれは」

居酒屋で愚痴っていると、同じ平社員で同期の松田が言った。

「文字通り自分の前に盾を構えるのさ。攻撃されても盾があれば防げるだろ。上手く立ち回って、自分の身は自分で守るっていう精神さ」
「ほう……。お前、そんなに立ち回り上手かったっけ?」
「まあそのうち分かるさ」

後日。上司の判断ミスで取引先を怒らせてしまった。

「おい、松田。お前がミスをしたから」
「ミスしたのはあんただよ。自分のミスを人に押し付けんなよ」
「なんだと!?」
「いいのかな?俺、あの会社の会長と仲良いからな。この事を会長の耳に入れたら、あんたはどうなるかな」
「うぐぐっ……」

なるほど。これが盾社会か。
公開:21/11/19 11:55

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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