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私が自宅のドアを開けようとした瞬間、家の中からこんな声が聞こえて来た。
「父さん、びっくりするだろうな」
「そうね。でも、まだサプライズパーティーの準備は終わっていないから早く手を動かしてね」
「そうだね。父さんが帰ってくるまであと30分くらいあるもんね。早く終わらせなきゃね」

「ほお~、なるほど。なるほど。私にサプライズねぇ。それじゃ、今、私が家の中に入ったら逆に彼等を驚かせてしまうかな。まあ、私はこれでも空気を読める人間だと自負している。もう少しだけどこかで時間を潰してこよう」
それから30分後
「ただいま~。な、なんだこの惨状は?」
家の中は嵐でもあったかのように荒らされていた。
「お前達、何があったんだ?」
「強盗よ。犯人は一人。私達は一時間前から口に猿轡をされていたの」
「それじゃ、さっき私が聞いた妻と息子の声は声真似!!気付かなかった。まるで本人そっくり。こりゃ、一番驚いた」
公開:21/11/18 21:39

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