良い家の条件
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霊感が強い婚約者との新居探しは難航を極めた。私が地盤の硬さマップを見ている横で、彼は古地図を広げて唸っていた。条件にあったマンションの内覧に来た時は、向かいのアパートの地縛霊と目があったと言い、担当者を怯えさせた。
「いい家見つからないね」
こんな事が続き私は疲弊していた。彼はもっと辛かったと思う。
「ごめんな。俺のせいで」
「ううん。一生ものだし。良いところに住みたいもんね」
今まで見た中で気に入った物件があったとは言えなかった。
「有難う。どうかな、と思ってる物件があるんだ。ちょっと寄っても良いかな?」
「え?」
車は賑やかな駅前を通り過ぎて住宅街へ入り、竹林が見えてきた。
「一軒家?」
「うん。家族が増えるならそれも選択肢の一つかなって思って」
「そうだけど。ここって」
塀で囲われたお寺の隣の物件だった。
「ここが一番清んでいるんだよ」
反対側には神社があった。
「いい家見つからないね」
こんな事が続き私は疲弊していた。彼はもっと辛かったと思う。
「ごめんな。俺のせいで」
「ううん。一生ものだし。良いところに住みたいもんね」
今まで見た中で気に入った物件があったとは言えなかった。
「有難う。どうかな、と思ってる物件があるんだ。ちょっと寄っても良いかな?」
「え?」
車は賑やかな駅前を通り過ぎて住宅街へ入り、竹林が見えてきた。
「一軒家?」
「うん。家族が増えるならそれも選択肢の一つかなって思って」
「そうだけど。ここって」
塀で囲われたお寺の隣の物件だった。
「ここが一番清んでいるんだよ」
反対側には神社があった。
その他
公開:21/11/18 16:00
更新:21/11/18 17:35
更新:21/11/18 17:35
いい家の日
11月18日
霊感
家探し
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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