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朝、駅のホームで電車を待っていると鍋を持った女性に声をかけられた。
「貴方の不思議な話を教えて頂けませんか?」
変わった人だな…と思いつつ、私は自身の不思議な話を女性へと教える。
私は転勤族。各地を回っているから不思議な話には事欠かない。実は誰かに話したくもあった。
私の話を聞いた女性は鍋の蓋を開け、苦笑いを浮かべた。
「その話、聞いた事があります。この鍋、初めて聞く話があると具材を生み出してくれるんですよ」
女性はまた別の人に声をかける。
初めて聞く不思議な話だったのか、鍋の蓋を開けると蟹が入っていた。
「ありがとうございます」とその人に礼を告げ、去って行った。

と、そんな話を数か月後、別の土地で、鍋を持った別の女性にした。
女性が鍋の蓋を開ける。そこには飛行機のチケットが入っていた。
「ありがとうございます。貴方のおかげで生き別れた姉に会えます」
女性は嬉しそうに飛行機で飛び立った。
公開:21/11/20 20:33

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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