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外から雨音が聞こえた。
パラパラパラッ
雨粒が木の葉にリズムよく当たる。
部屋の中には外から侵入した雨の香りが漂った。
「ああ、もう冬が来るのか。夏のお日様(サマー)の香りとは違って、クールな香りになったような」
気温が急に下がった気がする。少し肌寒い。
私は一枚上にカーディガンを羽織り、本に没頭した。

ヒュ~、ヒュ~
外から風を切る音が聞こえる。それは徐々に強くなりゴォ~、ゴォ~へと変わった。
屋根の瓦がカタカタ鳴りだす。
それと同時に私のお腹の音も鳴った。
「ああ、もうそんな時間か」
私は時計を見上げた後、戸棚に仕舞っておいたカップラーメンを取り出し、お湯を注いだ。そしてタイマーをセット

ピピピ
私はハッと目を覚ました。
(ああ、私はうっかり眠っていたようだ。どれくらい眠っていたのだろう)

「おやっ、雨が止んでいる」
私は部屋のカーテンを開け、外を見た。

世界が滅亡していた。
公開:21/11/19 22:33
更新:21/11/20 13:33

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