作家に振り回される編集者

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出版社に入社した私は、大ファンの売れっ子作家である紅葉川先生の担当になった。紅葉川先生は、ピュアで純粋な胸キュンラブストーリーを書いたら最高の作家だ。失礼のないように気合を入れて先生の家のチャイムを鳴らした。

「はい」
「新しく担当になった荒井です」
「今手が離せないんだ。開いてるから入ってきて」

さすが紅葉川先生。きっと今、筆が乗っているんだ。私は気が散らないように、なるべく音をたてないように家に入った。すると先生は、オンラインゲームをしていた。

「……あの、先生。原稿は?」
「まだだよ」

それから紅葉川先生は、出かけると言う。私にも付いてこいという。出先のカフェで書くのか?
さすが紅葉川先生。しかし行ったのは、競馬場だった。

「先生。原稿は?締め切りが……」
「これ終わったらね」

そして家に帰った先生は言った。

「実は原稿もう出来てました。てってれー。ドッキリでした」
公開:21/11/17 11:33

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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