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昔々、ある国に人の話を聞かない王様がおりました。
臣下がいくら進言しても聞きません。
国民がいくらお願いしても聞きません。
誰が言ってもそんな調子なので国は徐々に衰退しました。
「王様、この国の財政は逼迫しております。民に掛ける税を重くしましょう」
「いやいや、待て。むしろ軽くしたほうが宜しいかと」
「お前達の好きにするがいい」
王様は臣下の言葉が信じられませんでした。
いつも嘘とも本当ともいえる曖昧な事しか言わないからです。
その上、自分達で言ったことの責任を取ろうとしません。
彼等は自分達の私服を肥やす事しか考えていないのだろう。
そう思っていました。
ある時、王様は城の壁に穴を見つけました。
穴に耳を近づけてみると誰かの声が聞こえてきました。
「王様の耳はもう手遅れかもしれない。このまま国民の声を聞かなかったら腐ってしまう」
それを聞いた王様は驚き、民衆の声を聞く様になりました。
公開:21/11/17 11:31

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