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聞こえる。
森の木の葉と木の葉が擦れる音、小鳥のさえずり、小川のせせらぎ。
平和そのものだ。都会を離れ、田舎に移り住んで良かった。
もう満員電車に苦しめられることはない。うるさい上司もここにはいない。
あ~、幸せだ。
俺はそう思っているのに、子供達からは不満の声しか聞こえてこない。
「え~、2時間に一本しか電車が来ないの」
「ねえ、コンビニはどこにあるの。あたし、季節限定のスイーツが食べたいんですけど」
「はぁ~、お前達と来たら。コンビニなんてここには無いよ。以前にも話しただろ」
「ブー、ブー。・・・んっ、どこからか声が聞こえる」
「ああ、それはきっと森の妖精さんの声だろうね。この森には樹齢数万年のご神木があって周囲の様子を見守ってくれているから」
「へぇ~、そうなんだ。でも妖精さんはこう言っているよ。あなたのお父さん、あんなに偉そうにしているけど小学5年生までおねしょしていたのよって」
公開:21/11/17 08:59

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