ガーデンは救世主

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今日という日は二度と戻ってこない。
今日どころか、五分前だって戻ってこない。
いや、一分前だって戻ってこない。
いやいや、一秒前だって、あ、ほら、もう今こうして喋った瞬間も戻ってこない過去になってしまった。
スマホカメラのファインダーを自分に向ける。そしてシャッターを押す。静止した私の写真が画面に映る。たった今の事なのに、この画面の私はもう過去の人。戻ってくることは絶対にない。
そんな事をベッドの上で滾々と考えていた。考えたところで何かを悟るわけでもないし、プラスの事なんて何も生み出せないと分かっていてもだ。
私はため息をついた。そして今のこのため息ですらもう過去のものとなった事に更なる虚しさを感じる。
どうしよう。これはもう完全なる負のスパイラルだ。永遠に答えの出ない事をずっとこのベッドで考えてしまう。どうしよう、助けて・・。
あ、よかった、もう400字だった。もう考えなくて済む・・・。
その他
公開:21/11/16 20:00

セイロンティー( Cherry Blossoms island の傍 )

初めまして。昔から小説を書くのが好きでした。ショートショートの魅力に取り憑かれ、日々ネタ探しに奔走する毎日です。
小説のコンセプトは【ドアノブの静電気くらいの刺激を貴方に】です。
皆様、どうぞ宜しくお願い致します。

※ツイッター先にて小説家になろうへのリンクあります。そちらで長編ミステリーコメディーを書いています。よろしければ、こちらもよろしくお願いします。

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