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「今夜はお鍋よ。好きな物、何でもカゴに入れて」
私の言葉に子供達は大喜び。店に入るなり、お肉は何がいいか?茸はどれがいいか?〆は饂飩か拉麺か?と話し合う。
あれ?いつもなら子供達と一緒に頭を悩ませている夫の姿が見えない。どうしたんだろう?
カートを長子に預け、外へと戻る。
夫が捨て猫を抱いて困った表情で立っていた。
「僕の好きな物だけど…カゴに入れちゃダメ?」
そう来たか…確かに猫鍋なんてのもある。でもそれとこれとは話が別だ。
私が返答に困っていると子供達が様子を見に来た。
そして、夫の腕の中の猫を見て、大急ぎでカートに猫用ご飯を入れていく。
猫砂や、猫を飼う為の本も忘れずに入れていく。
やれやれ…好きなものを入れていいって言ったの私だ。いいよ、飼っても。
ただし、好き嫌いはしない事。飼ったら最後まで面倒を見る事。
はーい。と、元気に返事をする夫と子供達。
今夜の鍋は心も温かくなりそうだ。
公開:21/11/17 20:40

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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