人の道中に

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道中、首まで埋った男がいました。

「いろんな価値観が認知されるようになったから
 俺はここに埋っているんだ」


わたしはこう、問いかけました。


「どうして埋っているのです」

「最初は、ただの興味本位だったんだ。
 首まで埋ったらどんな気分なんだろう、ってな。
 それからなんだか、埋っていることに満足を得てしまってね。
 選択が強制になるってことさ」


わたしは更にこう、投げかけます。


「どうしてなんです」

「隣の芝生は青く見える、っていうだろう。
 首まで埋っていれば、隣の芝生なんて見えないから、気楽なものさ」

「それでいいんですか」

「それでいいと、思えるようになることだね。」


わたしにはまだ、わからない境地なのでしょうか。

見透かしたように男は、言います。


「わかる必要はないのさ。
 いろんな価値観ゆえに
 俺はここに埋ってるしかないってことなんだから」
青春
公開:21/11/16 03:27

よこたちかこ( 東京都 )

小学校5年生から、星新一が好きです。
頑張ってちょこちょこ、物語を書きたい。

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