聞こえる
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2050年、世界中に未知のウィルスが蔓延した。
そのせいで人類の半数が消えた。
それから数年後、ワクチンが開発され、人類は救われた。
だが、しかしそのワクチンには副作用があった。
異常聴覚。
それは数千キロ先で落ちたコインの音が聞こえるほどの聴覚能力であった。
人類は当初、「これは人類の進化だ」と手放しで喜んでいた。
でも、時間が経つにつれ、それはむしろ呪いだったのだと気付いた。
数千キロ先の音がはっきり聞こえると言う事は数メートル先で喋った人の言葉は耳を手で塞ぎたくなるほどの大騒音になった。
遠くで誰かがコソコソ話していた自分への悪口は心を病むには十分だった。
夜は夜で自分の歯ぎしりがギシギシと五月蠅くて眠れなくなった。
その結果、人類は口にはマウスピース、耳にはヘッドホンを付けるようになった。だから意思疎通は可能な限りタブレットでのチャット頼み。言いたい事も言えない世の中になった。
そのせいで人類の半数が消えた。
それから数年後、ワクチンが開発され、人類は救われた。
だが、しかしそのワクチンには副作用があった。
異常聴覚。
それは数千キロ先で落ちたコインの音が聞こえるほどの聴覚能力であった。
人類は当初、「これは人類の進化だ」と手放しで喜んでいた。
でも、時間が経つにつれ、それはむしろ呪いだったのだと気付いた。
数千キロ先の音がはっきり聞こえると言う事は数メートル先で喋った人の言葉は耳を手で塞ぎたくなるほどの大騒音になった。
遠くで誰かがコソコソ話していた自分への悪口は心を病むには十分だった。
夜は夜で自分の歯ぎしりがギシギシと五月蠅くて眠れなくなった。
その結果、人類は口にはマウスピース、耳にはヘッドホンを付けるようになった。だから意思疎通は可能な限りタブレットでのチャット頼み。言いたい事も言えない世の中になった。
公開:21/11/16 16:46
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