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どこからか声が聞こえた。
「押すなよ。押すなよ。絶対に押すなよ」
その瞬間、私は地雷を踏んでいた。
私は不運だ。世界一不運な男だ。自分で自分に太鼓判を押しても良い。
思い返しても幸運だった試しがない。こうなる事は薄々分かっていた。
これも運命だ。諦めよう。

「聞こえますか?」
どこからか声が聞こえた。
「はっ、ここは?」
「あなたは死んだのです」
目の前の女性が言った。
「そうか、私は死んだのか。それでここはどこだ?」
「天国と地獄の狭間です。あなたには二つの転生先があります。幸運な人間と不幸な人間です。それを決めるのはこの先にいる二人の天使と悪魔。悪魔は嘘を付き、天使は正直な事しか言いません。あなたは二人に一つだけ質問することが許されています。その質問によってあなたの運命は変化します」
「そうか、わかった。それでは私は横道へ行くとしよう」
「えっ、ちょっと。私の話を聞いていましたか」
公開:21/11/16 06:42

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