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昼休みになった。今日はどこでランチにするか。歩いていると私の目に飛び込んできたのは、変な看板だった。

新メニュー、罪丼始めました。

「なんだ?罪丼って」

好き嫌いはないし、食べ物に関して好奇心旺盛な私は、今まで色々な物を食べてきた。最近話題になってる昆虫食も食べたし、何が出てきても私なら戸惑う事はない。そんな自信があった。

「よしっ。だったら挑戦してやろうじゃないか。罪丼とやらに」

私は店に入った。中に入ると、一見普通の大衆食堂という感じだった。

「いらっしゃい。何にしましょう?」
「罪丼をひとつ」

少し待って出てきたのは、牛丼に生卵がかかったものだった。

「なんだよ。ただの牛丼じゃないか」

一口食べたその瞬間、私の人生の走馬灯が見えた。自分の犯してきた罪が思い浮かんだ。涙が溢れた。

「はい。ハンカチ。これサービスだよ」

店のおばちゃんが黙ってハンカチを渡してくれた。
公開:21/11/12 23:43

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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