泡攻撃

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ぴゅんぴゅんと飛んでくるビームをよけながら俺たちは流路を進む。高さ五メートルほどの大きな配管にひたひたと流れる水を踏み、跳んだり屈んだりして進む。ビーム攻撃がやんだ。前方を窺う。突然、白い塊が飛んできた。ピタリと肩に貼りつく。弾力のあるウレタン樹脂の泡だ。第二攻撃というわけか。ぷわっぷわっと泡が飛んでくる。身をかがめて右に左に泡をよけて前に進む。ぼとりと後ろで音がした。振り返って驚いた。泡が固まって人の背丈くらいの山になっている。それがぼてぼてと動き出す。こちらに向かってくる。俺の後ろにいた中原が足を滑らせた。泡の塊がすかさず中原に覆いかぶさり、中原は叫びもむなしく泡に呑まれた。塊は一段と大きくなって俺に向かってくる。俺も泡に吸われてしまう。視界が真っ白になって気が遠くなった。
・・気がつくと俺は中原と白い雪原に立っていた。わけはわからないがこれはホワイトアウトだなと言い合った。
その他
公開:21/11/12 14:58

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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