頭の中のマトリョーシカ

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ある朝、激しい痛みと共に頭が頭頂部から開き、中から小人が出てきた。

困惑しながらお前は何者かと問うと、小人は、私はお前のパイロットで、お前を操縦していた、と言った。

突拍子もないことだと思ったが、信じざるを得なかった。さっきから身体が指一本たりとも動かないのだ。

身体が痺れて動かないというよりも、身体を動かそうという気持ちが一切湧き上がってこない。

このことを小人に問うと、パイロットが乗っていないから当然だ、と言った。

私はどうなるのかと問うと、そのうち予備燃料が尽きて死ぬだろう、と言った。

不思議と恐怖はなかった。恐怖とは何かすら、もう思い出せなかった。


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長年連れ添った巨大な乗り物が死ぬのを見届けた後、私は故郷に帰った。久しぶりの我が家に安堵し、泥のように眠った。

次の日の朝、激しい痛みと共に頭が頭頂部から開き、中から小人が出てきた…
SF
公開:21/11/14 14:56

リンムー( 東京 )

大学生
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