リモコン

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怪しい店。こんな所に店などあっただろうか。看板には自作発明品販売の文字。私は、吸い寄せられるように入っていた。店内には使い途のわからない物が所狭しと並んでいた。その中に特に怪しい商品があった。「他者を操るリモコン」バカバカしい。そう思った瞬間。突然、老人に話しかけられた。「信じてないでしょ。そりゃそうだよね。でもね。それ、本物だよ。そのリモコンを向けられると操られちゃうの。」
「まさか。」
「あなた、この店に自分の意思で入ったかい?吸い寄せられるように入らなかったかい?」
「まあ、確かに。」
「私が店の中からこのリモコンであなたを操ったんだよ。だから、自分の意思とは関係なくこの店に入った。」
「そりゃ、偶然でしょ?」
「まだ、信じないか。じゃあ店の外をご覧なさい。男が立っているでしょう。男に向かってリモコンを押して見るがいい。」
私は、リモコンを押す。すると男がコチラに向かって歩き出した。
その他
公開:21/11/14 14:27

ソフトサラダ( 埼玉 )

時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。

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