ブロック繋ぎ

ブロック繋ぎの大好きな男の子がいました。
「ねえ、長く繋いで何を作るの？」
「長く繋ぐことが目的なんだよ」
ブロックを全部繋ぎ終わった男の子は、となりの子のブロックが欲しいと駄々をこねました。
「人のものを欲しがってはダメ」
と、戒める声もありましたが男の子には届きません。
隣家に土足で上がり込み、おもちゃ箱をひっくり返しました。
ブロックを奪い、つなぎ始めた男の子。
ふと後ろを見ると、つないだブロックがところどころ外れています。
すると、たくさんのネズミがブロックをくわえて走りました。
「返せよ～、僕のブロック」

男の子は、たったひとつ手の中に残ったブロックを見て
「あんなにブロックを繋ぎたかったの何故だろう？」
と、呟きました。

たくさん手に入れたら、もっともっと欲しくなることがあります。
たくさん手に入れたら、分けようと思うこともあります。
君は、どっちが好き？