怖いもの

地震雷火事親父、っていうのは、一般的に怖いものの例えらしい。
ただ、私からすると、カジはカジでも家事の方が怖い。
私は、昔から壊滅的に家事が出来ない。
料理をすれば、包丁が床に突き刺さり、ぶすぶすと黒煙を出すナニカが出来上がる。
洗濯をすれば、洗濯機は警告音を鳴らし、床は水浸しになる。
掃除をすれば、掃除機のコードが自分に絡まり、部屋全体が以前よりも汚くなる。
裁縫をすれば、針を自分の指に突き刺し、ミシンは大暴走して関係の無い所を縫う。
これらは、私の経験のごく一部。命の危機が迫ったことも何度もある。そのせいで、私の家族内では、私に家事をさせるくらいならお金を払ってでも外部に頼め、という暗黙の了解が出来上がっている。
そういう訳で、私は、家事をすること自体が怖くなってしまった。
そして、何より、家事をしないことが私を含めた皆の為になると了解しているのだ。
べ、別に逃げじゃないからね…！