かたこりさん
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最近就活で忙しくしていたせいか、両肩にずっしりと重力を感じていた。
そう伝えると医者は、虫眼鏡を取り出し「なるほどね」と呟いた。
「あんたの肩には“かたこりさん”が棲んでいるよ。それもご丁寧にテントまで張っているね」
医者が何を言っているのかまるで分らなくて、少し考えたけれどやはり分からない。
——かたこりさんって何だ?
新種の細菌?
未知の妖精?
「別に悪い奴らじゃない。彼らは人間のストレスが好物でね。あんたの心が穏やかになれば、その酷い肩こりも収まるさ」
結局、処方箋の一つも出されないまま診察は終わった。
しばらくして内定の連絡が届いた。
ぷつんと緊張の糸が切れ、吸い込まれるようにベッドに倒れ込んだ。
気がつけば朝日が昇っていて、肩は羽のように軽くなっていた。
ふと、医者が言ったことを思い出した。
かたこりさんは私をガソリンに、次の肩へと引っ越したのかもしれない。
そう伝えると医者は、虫眼鏡を取り出し「なるほどね」と呟いた。
「あんたの肩には“かたこりさん”が棲んでいるよ。それもご丁寧にテントまで張っているね」
医者が何を言っているのかまるで分らなくて、少し考えたけれどやはり分からない。
——かたこりさんって何だ?
新種の細菌?
未知の妖精?
「別に悪い奴らじゃない。彼らは人間のストレスが好物でね。あんたの心が穏やかになれば、その酷い肩こりも収まるさ」
結局、処方箋の一つも出されないまま診察は終わった。
しばらくして内定の連絡が届いた。
ぷつんと緊張の糸が切れ、吸い込まれるようにベッドに倒れ込んだ。
気がつけば朝日が昇っていて、肩は羽のように軽くなっていた。
ふと、医者が言ったことを思い出した。
かたこりさんは私をガソリンに、次の肩へと引っ越したのかもしれない。
ファンタジー
公開:22/03/03 19:06
趣味で短編小説を書く大学生です。
思いついたとき、思いついただけ。
https://twitter.com/ono_syy
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