北風と太陽とスマホ

「最近、多くね？歩きスマホ。」と北風君はポツリと呟いた。
「北風君、私もそう感じます。危ないですよね。」
「車の運転しながらスマホ、バイク運転しながらスマホ然り。」
「いつ交通事故起きてもおかしくね。」と北風君は憤りを隠せなかった。

すると、本来走行できない歩道を蛇行運転するリーマンの自転車を発見した。もちろんスマホしながら運転である。
走行する100m先には足の運びのおぼつかないおばあちゃんがいました。太陽さんと北風君は目で合図すると、まず太陽さんが灼熱の太陽光をリーマンのスマホの画面へ向けて強烈に発光した。熱くて手を離した瞬間に今度は北風君の猛烈な強風を彼に向けて発射した。すると、スマホは無残にも粉砕し、自転車は間一髪の所でおばあちゃんと衝突せずに停車した。リーマンは状況を飲み込めず、ただキョロキョロするばかりであった。
衝突を回避したそのおばあちゃんも歩きスマホをしていた。