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(連絡が取れなくなった人へのメッセージをこのノートに書くと必ず返信が書かれています)
この無人駅を利用する人たちは、切符売り場の横に置いてあるこのノートの文面を見ても最初は誰も信じなかった。しかし徐々に口コミで広がっていく。本当に返事が書かれているからだ。
(もう一度あなたに会いたいどこにいるの?)
(今僕は海外にいる。あの時は黙って出て行ってごめん)
(あの時貸した500円返してよ)
(悪いないつか必ず)
僕の生まれつきの能力。それは書かれたメッセージを指でなぞると、送りたい相手の映像が見え、その人がどんな返事をするのかを予知できるというものだった。
ノートは大好評だった。しかし・・・。
(ねぇ!一緒に遊ぼう)
いくら指でなぞっても僕にその返信は書けなかった。
皆は喜んでくれたけど自分は・・・。でも仕方がない。初めから存在しない親友が返事を書くはずもない。
「はあ、ぼっちは辛いね・・・」
その他
公開:22/03/01 09:25
更新:22/03/01 09:27

セイロンティー( Cherry Blossoms island の傍 )

初めまして。昔から小説を書くのが好きでした。ショートショートの魅力に取り憑かれ、日々ネタ探しに奔走する毎日です。
小説のコンセプトは【ドアノブの静電気くらいの刺激を貴方に】です。
皆様、どうぞ宜しくお願い致します。

※ツイッター先にて小説家になろうへのリンクあります。そちらで長編ミステリーコメディーを書いています。よろしければ、こちらもよろしくお願いします。

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https://twitter.com/K0TvdKqCqJYL1JK?s=09

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