僕と兄ちゃん

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兄ちゃんは不思議な生き物だ。体はドロドロでぷにぷにだし、背も低い。口も効けない。でも兄ちゃんはいつも僕と遊んでくれるし、そんな兄ちゃんが大好きだ。お母さんに聞いたことがある。

「兄ちゃんは、どうして人間じゃないの?本当に僕達は兄弟なの?」
「どんな形をしていてもあなた達は兄弟よ」

そう言われたけど、僕にはよく分からなかった。ある日、兄ちゃんの体の色が緑色から赤色に変わった。お母さんはオドオドしていた。兄ちゃん、きっと体の調子が悪いんだ。そう思った僕は、子供図鑑で調べた熱に効く薬草を山で取ってきて兄ちゃんの口の中に放り込んだ。すると兄ちゃんは、赤色から青色になった。そして……

「ようやく喋れるようになった。なぜ俺がスライムなのか、俺の口からやっと説明できるな」

兄ちゃんは昔、イタズラして禁術の魔法を使ってしまった。だからスライムになった。そして呪いは、大人になったら解けるらしい。
公開:22/03/03 10:15

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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