神の制裁

人間というものを創造したのは我らの間違いなのか。
人間どもは我々の想像を超えた進化を遂げたのだ。
想像を超えた『欲』をもった化け物に。

「足や手を奪ってはどうでしょう。悪さをできないように」
今や、足や手がなくても科学の力で移動手段や攻撃手段はあるじゃないか。
「心を奪うというのはどうでしょうか」
いくら最終手段としても、それはダメだ。心を奪うともはや人間とは言えずただの化け物だ。

世界中の神々は、考え続けた。
人間を創造したのは、間違いではないはずだ、と思いたい。
だから、神々は考える。
だが、自分たちの創造した地球はトンデモない進化を遂げた人間によって破壊されている。

リセット。
人間たちに一からやり直させよう。
ビルも、装甲車も、ミサイルも、武器も消えた。

「猿人類からはじめるのだ。次は、間違うではないぞ」
自分たちの声が届くことを、神々は祈るしかない。