暗号作成機Ⅱ

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言葉を書いた紙をこの機械でスキャンすると、その言葉を暗号化してくれるこの機械。小さい頃、よく母がこれを使って私に謎を出してたっけ。

「お母さん、今日の夕飯なに?」
「あなたの大好きなものよ」
「えっなになに〜」
母はハガキを取り出し、何かを書いた。そして暗号作成機にそのハガキをスキャンさせた。
「はい、これが今日の夕飯。当てられるかなぁ?」
受け取ったハガキにはこう書かれていた。
———
たたたすた
たはたたた
たたたたや
たたはたた

ヒント:この動物と、今あなたが手にしているもの。
———
「ヒント」の下にはタヌキが描かれていた。

「えっと、これを抜いて、これがこうだから……あ! わかった!」
私は謎を解けた喜びと今日のご馳走に胸が躍った。
「あっ、あれ買い忘れたわ」
「あれね。私が行く!」
「ほんと? 落とさないように気をつけてね」
「うん!」
私は意気揚々と卵を買いに出かけた。
ミステリー・推理
公開:22/02/27 17:00
暗号 謎解き 暗号作成機

雪宮冬馬

日本生まれ日本育ち。年齢約20代。まだまだこれからの男です。
noteでもショートショート書いてます。
よろしくお願いします。

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