オウム

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 僕はずっとオウムの研究をしていたので、彼らの賢さにはいつも驚かされていた。オウムは他の鳥を真似る。飼い主の声を真似る。道具や数まで扱える。ヒトと比べて驚くほど小さな脳で、高度な知能に基づく物真似をどう実現しているのか、それが僕の研究内容だった。あの頃まで。
 分かってるのは地球に迷い込んだ宇宙人がいたらしい、ということだけだ。人類を遥かに超える知能を持つそいつらは、だけど、地球環境に適応できず人知れず死に絶えたらしい。
 オウムは、瀕死状態の彼らの真似をした。
 僕は重大な勘違いをしていた。オウムは賢いから真似ができるんじゃない。ヒトの真似をした結果、賢さを、知能を獲得していたのだ。でもこんな研究にもう価値はない。人類より遥かに高度な知能の持ち主を真似して、圧倒的な科学知識を手にしたオウムたちにとって、ヒトのやることなんて、蓋を開けたり、数字を順番に数える程度の価値しかないんだから。
SF
公開:22/02/27 18:00

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